ソシアルビル事業再生案件 ― ソフト・ハード分離スキーム
C社は、M地方の大手ソシアルビル事業者である。C社は、ソシアルビル業界全体の冷え込みに加え、関連会社投資によって発生した過剰債務の負担増により、利益・CFとも右肩下がりかマイナスの状況にあった。今後、ソシアルビル市場回復の期待はあるとしてもその成長性は限定的であり、ビル自体の施設容量に限界があるため仮に収益が向上したとしてもCFがマイナスのままであって、現在の過剰債務を抱えたままでの自主再建は不可能であった。
過剰債務の処理のためには、スポンサーを選定する必要があったが、一般的に、ソシアルビルは投資の対象としては避けられがちであり、スポンサー候補者の探索には困難が予想された。(続きを読む)
アパレルメーカーの構造改革案件 ー 経営改革・事業戦略改革による自主再建
X社は、オーナー一族が株式を保有するアパレルメーカーである。同社は、長期にわたる業績低迷により、過剰負債状態にあり、業界の冷え込みによって赤字転落していた。
銀行団からは元本返済停止を受けつつ、短期資金の供与も受けていたが、業績の悪化によってこれらの金融支援を継続することも厳しい状況となり、中小企業再生支援協議会の関与のもとでスポンサーを利用した金融債務削減などの金融支援なども検討される状況にあった。(続きを読む)
食品メーカーの資本戦略案件 ― 資本業務提携による信用補完
U社は、オーナー一族で株式を保有するT市の食品メーカーである。同社は、グループ収益基盤強化を企図し、事業の多角化を試みたものの、これらは結果として実を結ばず、当該投資にかかる多額の資金が固定化し、財務内容の脆弱化を招来することとなった。かかる背景の下、事業環境の急激な悪化に伴い、損益・資金繰りとも逼迫した状態に陥り、スポンサー企業を利用した金融債権の劣後債権化(DDS)などを含む金融支援が検討される状況にあった。(続きを読む)
中堅ゼネコンの再生案件 ― 看板架け替えスキーム
M社は、H地方の中堅ゼネコンであるが、公共工事の減少により売上高は減少し、赤字転落していたところに、取引先の倒産による売掛債権の焦げ付きが発生し、民事再生手続き開始を申し立てた。
民事再生手続開始決定後もメイン銀行であるH銀行は支援を継続し、DIPファイナンスにより運転資金を確保し事業継続を行なっていた。
当時、建設業の市場環境はリーマンショックにより冷え込んでおり、かつ、民事再生手続により下請け事業者に対する買掛債権に大幅な債権カットが避けられない状況で、今後の事業継続に不透明感が高かったことから、スポンサー選びは難航した。債権者の協力を得て民事再生計画を可決するには、株主をスポンサーに変更するなどの経営責任を取ることが必須であったが、民事再生計画案の提出期限も2回延長され、次回提出期限を徒過した場合には破産手続きに移行する瀬戸際に立たされていた。(続きを読む)
旅館業の再生案件 ― 同意再生による民事再生
A地方の温泉旅館であるS社は、過去の大規模な設備投資によって過剰債務状態に陥っていたところ、市場環境の悪化により財務状況はさらに悪化し、その結果、金融機関から競売申立てを受けるに至った。競売申立てにより、これ以上単独での事業継続に著しい支障をきたすことは明らかであったため、スポンサーによる支援のもとでの事業再生が必須の状況となった。
しかしながら、当時の市場環境はA地方の風評被害も重なり冷え込んでおり、スポンサーを探すのは非常に困難であるだけでなく、S社は設備更新も滞っていることも影響し売上の減少が深刻であり、営業CF自体がマイナスであったことから、仮にスポンサーが見つかったとしても民事再生などの法的手続きを行うことは大きなリスクが伴った。(続きを読む)
百貨店の資本政策案件 ― 地元密着を目指したEMBO
Y社は、Oグループとして設立されたW地方の百貨店であったが、百貨店業界の長期低迷により売上が大幅に減少、赤字に転落していた。
各種コスト削減等の施策にも関わらず債務超過の危機に陥っており、閉店や業態転換も含めた抜本的施策が検討される状況にあった。(続きを読む)