企業の成長には、自社単体での売上拡大と、同業他社の買収・統合による規模拡大があります。

現代では、業界のライフサイクルが早まっていく中で、業界プレーヤーの統合と市場の寡占化への動きも急速に起こりつつあるというのが現状です。そのため、企業成長においては、自社単体での成長に並行して、同業他社との企業結合を行っていくのは重要な選択肢となっています。

これに伴い、金融プレーヤーや株主の構造も、企業ステージにあわせて頻繁に組み替えていくのが、現代の財務戦略であるといえます。
また、戦後75年を越え、日本企業の多くは事業承継の時期を迎えています。事業承継は、経営者及び株主の承継であるとともに、株主及びファイナンス構造全体の見直しの時期といえます。

当事務所は弁護士とコンサルタントにより構成される戦略系リーガルファームであり、企業買収及び統合、事業承継、グループ内再編並びに事業再生に豊富な実績を有しています。

事業承継・株主政策

企業の成長ステージに合った株主構成を分析し、これを踏まえた事業承継と株主政策を立案・実行します

業界・グループ内再編

市場構造等を踏まえた、業界及びグループ内再編を立案し実行支援いたします。

事業再生

過剰債務が事業遂行の障害となっている場合は、この処理も含めた計画の立案・実行を支援します

事業承継Q&A

A.

会社の概要情報に興味を持った候補者に対し、秘密保持契約締結の上、情報開示をすることからはじまります。候補者が本格的な検討をすることになれば、基本合意書などを締結した上で、デューディリジェンスと呼ばれる調査を会社に対して行うことになります。デューディリジェンスで大きな問題がなければ本契約を行い、契約を実行して完了です。検討開始から実行までの期間は3ヶ月から6ヶ月程度が一般的といえます。

A.

会社の価値を算定する方法には様々な方法がありますが、買う側からするとやはり収益性が最も重要であるため、償却前利益やEBITDAなどを基準にして算定することが多いといえます。利益の何倍程度を価格とするかは業種や様々な事情によって異なりますが、償却前利益の5倍程度が一つの目安になると言われています。

A.

一般的な株式譲渡の場合、実行手続きは株券か株式譲渡証の交付によって行い、それと同時に代金が振り込まれることなります。また、それに付随して、株式の譲渡に関する取締役会等での承認決議、役員や住所の変更、銀行保証人の変更などの手続きが行われるのも一般的です。

A.

基本的には成功報酬となっており、相手方の探索の段階では費用はかかりません。費用については、いわゆるレーマン方式と言って売却価格の最大5%をフィー(但し最低価格は500万円です)としてお支払いただくようお願いしております(消費税別)。

A.

売るかどうかの判断は相手方次第ということもありますのでとりあえず探索のみ進めるということも可能です。当社が分析をした上で、貴社にあった候補者にピンポイントで案件を紹介しますので不必要に情報が広がることはありません。

A.

役員としては退任することが一般的かもしれませんが、多くの事例では有償の顧問契約などを締結して一定期間会社の経営に関与してもらっています。もちろん一切関与がなくなるということもできます。

A.

あくまで双方が合意することが条件ですから、価格だけでなく、相手方の属性に対する希望や売却後の会社の取り扱いについての希望なども条件に入れることも可能です。また、入札方式をとることもできます。

A.

株式譲渡の場合、一般的には株式譲渡益の20%の税金がかかります。ただし、実際に進めるに当たってはスキームに照らして検討しながら進めることが重要です。

A.

必ずしも100%なくても売却は可能です。他の株主への売却の説得も併せて行うこともできます。

A.

株式譲渡のような事案の場合は、原則的にいつまでに通知が必要という決まりはありません。ただ、デューディリジェンスの段階では情報のやり取りも増えますのである程度の人には伝わることになるでしょう。

A.

当社は全国各地で実績があります。全国を対象地域としていることで情報が入りやすいというメリットもあります。

A.

決算上は赤字であっても償却費やオーナー報酬を除けばプラスになるということであれば十分評価可能です。また、そうでなくても価値のある営業資産、商品、顧客基盤などがあれば相手方とのシナジーが見込まれて評価することもできる場合がありますので、まずは一度ご相談ください。

A.

事業再生と組み合わせることによって売却できる可能性は十分あります。当社は事業再生にも豊富な実績を有しております。事業再生のQ&Aはこちら

事業再生ご依頼の流れ

事前相談

まずはお電話かメールで当社までご連絡ください。当社コンサルタントが概要やご希望をお伺いし、最適な進め方について提案させていただきます。

すでに他社にご相談いただいている場合でも、当社を並行してご利用していただくことは全く問題ありません。選択肢は多い方が良いですからお気軽にご相談ください。

私どもは事業戦略コンサルティングの知見を活かし、貴社にとって最適でかつ確実なソリューションを提案させていただきます。私どもを利用することが最も良いとは限らないケースもありますので、その場合は私どもを利用しない形でのソリューションを提案することも多々ございます。

当社へのご依頼

当社からの提案にご納得いただけた場合、当社とアドバイザリー契約を締結することとなります。スポンサーの選定を先行する場合には、この時点で費用がかかることはありません。また、他社と並行してご契約いただくことも問題ありません。

スポンサー選定にあたっては、シナジーが高く貴社と債権者双方が納得すると思われる企業を事前に十分分析した上でアプローチいたしますので、やみくもに情報が拡散したりするリスクはありません。

金融機関等の債権者の対応も必要となる事案の場合、一定の費用が発生することとなりますが、一般的には金融機関への元本返済を停止するなどして、当社の費用やその他構造改革費用の原資とすることとなります。いずれにしても財務が苦しい状況ですので、その状況を踏まえた形で無理のない費用体系で進めていきます。

スポンサーの決定および再生スキームの確定

当社が紹介させていただいたスポンサーとの間で基本的な条件が合致した場合、当社の支援の下、①秘密保持差入書の差入れや秘密保持契約書の締結、②基本情報等の開示、③双方のご面談、④相手方からの意向表明書の提出や双方の基本合意書の締結などの作業を経て、最終的に相手方による買収前監査(デューディリジェンス)が行われることとなります。

当社には、財務・税務・証券・M&A法制に精通したコンサルタントや弁護士がおりますので、その時々において最適なスキームや進め方を提案することができます。

スポンサーが確定した場合、債権者である金融機関との間でスキームの説明・調整等の作業を行なっていきます。債権を一括処理(一部弁済の上残額カット)の場合は弁済額が金融機関の最大の関心事となりますが、引き続き債権者として残るスキームの場合、スポンサー参加後の事業計画も策定した上で説明を行なっていきます。

スキーム実行

スポンサー側と債権者側双方の条件が整ったらスキームを実行することとなります。このとき金融機関側の要請で、民事再生手続きや特定調停手続きなどを利用することはありますが、事前に関係者の調整はほぼ完了していますので(いわゆるプレパッケージ型)、手続きは形式的な作業となることが多いといえます。

当社は、このようなプレパッケージ型の事業再生を基本と考えており、金融機関から何らかの手続きが要請された場合でも、事業劣化を最小限とし、かつ、保証債務の処理等現経営陣と株主の利益を最大限に守るためのスキームを数多く実行しています。

事業再生Q&A

A.

一口に事業再生といっても、負債についてどのような処理をするか(債権カット、DES、有利子負債削減、弁済猶予)、新しい資金を利用するか(スポンサー、増資、不採算部門切り離しなど)、現経営陣が引き続き経営に関与するかなどの組み合わせによって様々なパターンがあります(詳細はこちら)。また、これらの処理に法的手続き(民事再生、会社更生、特別清算など)やその他の手続き(事業再生ADR、産活法など)を利用するかによってもその効果は変わってきます(詳細はこちら)。

A.

民事再生手続きの開始決定がでると債務の弁済を停止する効力が認められ、その後債権者の決議により一定程度の債務カットなどの効果が認められます。但し、弁済停止の対象には買掛金などの取引債務も含まれますので、その後は現金決済でしか応じてくれない取引先が多くなるので資金繰りには注意が必要です。また、税金などは弁済停止の効果はありません。

債権カットの効果を得るためには債権者の決議が必要となりますが、近年はスポンサーなしでの民事再生に債権者の同意を得るのは非常に難しくなってきています。民事再生手続きを行う場合は事前に主要な債権者と十分な協議を行うことが重要といえます。

A.

状況にもよりますが、一般論でいうと、手形で不渡りが発生するような事例、金融債権者数が多い事例、スポンサー選定過程について公正性を担保する必要があるような事例などが民事再生手続きを利用するメリットがあると考えられます。

逆に、資金繰りに切迫した状況がなく、金融機関と協調しながら処理を進められる環境にある事例であれば、必ずしも民事再生手続きを使う必要はないと思われます。

A.

会社分割手続きの多くの場合には債権者保護のための規定が置いてありますので、債権者を害するような会社分割を行うことは困難です。また、債権者を害するような会社分割を行なった場合債権者はこれを取り消すことができますし、悪質な場合は強制執行妨害罪に問われるおそれもあります。

事業再生の手段として会社分割を行う場合は主要な債権者と協議の上で行うのが望ましいといえます。

A.

専門性が高かったり、特殊な許認可により外部のスポンサーが付きづらい業種の場合、その事業用資産と人員等のソフト部分を分離し、スポンサーには資産の部分を保有してもらい、現経営陣は運営会社を新設し、ソフト部分を引き受けて運営するという方法をとることがあります。

A.

どのような手続きを取ったとしても、債権者間の扱いは平等であることが求められますので各債権者の同意がなければ一部の債権のみカットするということは困難です。

ただ逆に考えれば、カットを受ける債権者の同意が得られれば良いので、スポンサーをつけるためには一部の債権者はそのまま残すことが望ましいことなどを説明して理解が得られればこのような処理も可能でしょう。近年は特定調停などの手続きを利用してこのような処理をすることも増えています(特定調停の詳細はこちら)。ただし、民事再生などの法的手続きを使った場合はこのような処理は認められないので注意が必要です。

A.

債務の株式化、いわゆるデッドエクイティスワップ(以下、DES)は、金融機関の不良債権処理と債権回収可能性の最大化という二つの要請から生まれた仕組みといえます。そのためDESが実行される事例は金融機関からの要請で行われたものがほとんどでしょう。負債のどの部分にDESを行うかについては色々な考え方があると思われますが、実態ベースで計算し直した資産と、将来の営業キャッシュフローから予測される回収可能額を比較して後者が上回る部分についてDESを行うという考え方があります(DES、DDSなどについてはこちら)。

A.

会社の負債について債権カットなどの処理が行われた場合でも保証債務はまではカットされませんので、銀行は保証債務に対して履行請求をしてくるのが通常です。この場合個人の資産で負債が支払われない場合、破産手続きを行わざるを得なくなることも多いと言えます。ただ、状況をよく分析し、債権者と協議しながら手続きを進めることでその他の方法を取る可能性がでてくることも十分あります。当社が手がけた事案では代表者が特定調停や民事再生など破産以外の方法で保証債務を処理したものも多くあります(特定調停の詳細はこちら)。

A.

金融機関に対して元本返済の一時猶予を要請する場合、資金繰りが厳しいからという理由だけではいつそれが改善するかがわからず説得力に欠けます。そのため、弁済猶予期間中に支払いを免れる元本返済相当額を利用してどのような資金繰り改善の施作を打つのかを示し、そのために一時的な支出(例えば人員削減における早期退職のための一時金など)が必要であることを説明した上で、正常化までの経営計画を作成して示すことが望ましいでしょう(イメージ図はこちら)。

A.

増資を引き受けてくれるところがいるか、いるとしてどの程度の持株割合を要求されるかについては、現在の株式価値の評価次第だといえます。株式価値は利益を基準に算定されることが一般的です。現在は利益が出てなくとも将来的には大きな利益が出る可能性が高いという事業であれば増資の引受手は見つけやすいと思いますが、その可能性が低い場合は厳しいかもしれません 。

A.

企業の入札は不動産の場合と異なり、より高い秘密性が要求され、また検討項目も多く複雑です。そのため企業の入札の場合は、広く公に候補者を募るオープンオークションの方式のほか、少数の潜在的候補者に限って情報開示するクローズドオークションの方式が取られることも多いといえます。また、オープンオークションであっても、入札を2回に分け、一次入札では概要の情報を元に入札を行い二次入札の参加者を絞るということも行われます(入札方式に関する詳細はこちら)。

さらに、地域再生や雇用維持の観点から、入札金額の他に買収後の事業運営方針や保有年数といった定性的な項目と入札項目となることもあります。

A.

スポンサーの選定で入札を行うのは、競争原理によって最適な価格で売却できるであろうとの経験則によるものです。

そのため、競争させるほどスポンサーの候補者が見込めない場合や、入札手続きを行っている時間的余裕がない場合には、価格が適正であることを根拠付ける資料を持って説明を行うことで、入札を行わなくても債権者の理解は得ることは可能でしょう(入札のポイントはこちら)。

A.

一律の基準があるわけではありませんが、金融機関による債権放棄を伴う金融支援が行われる場合は原則的に経営者責任・株主責任が問題となると考えられていますので、スポンサーを選定した上で、経営陣及び株主の交代を行うということになると思われます。この場合、経営に一切関与できないことになるかについては、スポンサーや債権者の考え方にもよりますので関係者との協議をすることで事業再生後も一定の関与が可能となる事例も存在します(詳細はこちら)。

A.

時間は限られていますが、何を優先するかを検討すれば何かしら方法は見つかる可能性はあります。一度ご相談ください。

A.

コンサルタントは財務分析や事業分析に長けており、また弁護士はスキーム構築、手続き進行、リスク分析などに熟練しておりますので、一つの案件を当初から多角度に検討することが可能です。債権者その他の関係者の交渉においても充実した提案を行うことができ迅速に案件を進めることが可能となるのです。

A.

談料などは特段いただいておりません。内容を拝見させていただき、当社の受任内容及びフィーについてご納得いただいた段階で契約を締結させていただきます。

A.

当社は東京以外の各主要都市での多くの案件実績を有しております。是非一度ご相談ください。